僕はドラマや映画を見るのが趣味である。
中でも刑事ドラマと医者ドラマは特にお気に入りで、これまでかなりの量を見てきたと自負している。ついでに言うとアニメも結構見る。
そういった映像作品を数多く見ていると突っ込みたくなる点が多々出てくるが、中でも僕が以前から特に気になっていた全作品共通の不満点がひとつある。
出てくる女性が美人ばかり。画面の中はブスが存在しない世界。
僕も男なのでもちろん美人は好きだが、女性の登場人物が皆美人というのはあまりにも現実味がなくて逆にしらける。
この記事はブス擁護記事だが、ここで言うブスとは一部アンチからブス扱いされるが一般的には美人でも充分通じる女優ではなく誰もが認めるブス。
ドラマや映画の世界では女性は全員美人
テレビや映画に出てくる女性はどの作品もとにかく美人だらけ。
女刑事、警察署の女性職員、犯人の女、目撃者の女、殺人被害者の女の子やそのお母さん、取引停止されて困っている弱小町工場の社長夫人、主人公の刑事の奥さんや娘、DVクズ無職男に貢ぐ女、会社の女性社員、工場の女性派遣労働者、学園ドラマではクラスの女子生徒全員、女性教師、女のいじめられっ子といじめっ子とその母親、女性弁護士、重病患者の女性とその母親、看護師、女医、そこらへんにいる普通のお母さん。例を挙げればきりがない。
善も悪も、大人も子供も、主役も脇役も、女性はとにかく美人だらけ。
常識的に考えて、そこらへんにいる普通のおばさんが全員美人なわけないでしょ。
どの作品もこのような状態なので、映画やドラマでは女医や女性弁護士に対してちょいワル風のおっさんが「医者(弁護士)にしておくのはもったいないぐらいいい女だな」などというセリフがある。そのたびに、そりゃ女優なんだから当たり前だろと突っ込んでしまう。
とにかくブスは作品に出てこない。
これはブス差別以外の何物でもない
ブスが作品に出てこないのは完全にブス差別である。
差別と言えば歴史的にはアメリカのアフリカ系差別や、女性差別が有名だが、海外作品を見る限りどちらも昔に比べて主要キャラに抜擢される機会が劇的に増えた。
役柄も知的な技術職、組織の指導者、企業CEOなど、むしろ白人や男性を使う側の役も増え、フィクションの世界では差別は確実に改善されている。現実でも有色人種や女性に対する差別発言は絶対に許されないという風潮がすでに確立されている。
ただしブス差別だけは昔から変わらない。
映像作品にはとにかくブスが出てこない。
どの作品を見ても最初からブスなどこの世に存在しないと言わんばかりである。これはブス差別以外の何物でもない。
ブス差別というのはまったく笑いごとではなく人種差別である。本質的には有色人種差別と何ら変わりなく、現代社会でこのようなことが許容されてはならない。
今のドラマや映画に出てくるブスキャラ
各作品にはブスキャラがまったくいないわけではないが役柄はかなり限定される。僕が思う主なブスキャラは下記の通り。
1.おばさん
おばさんにはブスキャラもいる。主にストーリー上の重要度が低くセリフもせいぜい一言か二言の端役。この場合女優がブスでも美人でも視聴者は特に気に留めないだろう。
中には泉ピン子のように主要キャラでブスのおばさんもいるがかなりの少数派。泉ピン子が得意とする意地悪おばさんキャラも一般的には美人が多い。
他には室井滋も主要キャラに抜擢されることが多い有名ブス女優だが、おばさんの場合はブスを登用してもブス差別を是正しているとは言えないと思う。それに室井滋は世間的にはそれほどブスではない。
2.最初からブスとして扱われるネタキャラ
おばさん以外の若手でセリフがある役にもブスはいる。
だが大抵の場合恋愛で盛大にふられる役や、盛り上げ役のコミカルなデブなど、もう最初からブス扱いのネタキャラである。日本の作品ではこのような役には女性お笑いタレントが使われることが多い。
もっと恋愛に絡むような主要キャラにもブスを登用すべき。もちろんふられ役ではなく普通に恋愛が成就するキャラとして。
男はブサイクキャラも自然に出てくる
男の場合はブサイク俳優が、主に脇役だがネタキャラではなく自然に使われることも多い。例えば佐藤二朗や荒川良々など。
名前はわからないがもっと若手でイケメンじゃない俳優も見たことがあるし、ブサイクなお笑いタレントが使われる場合も特にブサイクをネタにされるようなキャラではなく普通の役である場合が多い。
男は特に悪役キャラには年齢問わずブサイク俳優がわりと頻繁に使われる。その方が説得力があると制作側は考えているのだろう。
三上博史主演のWOWOW版下町ロケットで悪役を演じた佐藤二朗は特に印象的で、あの役はイケメンでは成立しないと思った。
綾野剛はブサイクとまでは言えないが、決してイケメンではないのに何本も主演をこなす売れっ子俳優である。女優の場合はこの顔面レベルで主演多数の売れっ子になるのはまず無理。
女性の場合はブスをネタにしたキャラ以外は役柄に関係なくとにかく原則全員美人。
海外の方がブス差別撤廃は進んでいる
アメリカのドラマも昔は主人公グループにアフリカ系などいなかったが、今やどの作品でも最低一人は有色人種が含まれるようになった。そして普通に白人と恋愛もする。
例えばスタンドバイミーも今作られるとしたら、当時は白人だけだった仲良しグループに間違いなく有色人種が二人か三人採用されるはず。
海外ドラマ『スコーピオン』のブスキャラは自然
最近見た『スコーピオン』というアメリカのドラマがある。頭脳明晰の天才集団が頭脳だけでなく体当たりで数々の難問を解決する刑事ドラマのような内容。
主要キャラクターは7人。ヒロインのペイジは美人の白人だが主人公のウォルターは非白人。
もう一人の女性主要キャラハッピーはアジア人で全然美人ではなくむしろブス寄り。橋本環奈や広瀬すずとは比べ物にならない顔面レベル。
#ScorpionCastAppreciationWeek Jadyn Wong= Happy Quinn. She can build or fix anything physical. But needs Toby's help to fix her spirit! In the beginning closed emotionally, but so much growth, she winds up loving Toby, and helping others! #SaveScorpion pic.twitter.com/xHFZgoyry3
— Douglas Hespelt (@DouglasHespelt) May 29, 2018
だがハッピーは作中で決してブスをネタにされることはなく白人男性と恋に落ち結婚する。ただし美人のペイジを妬む描写がたびたび出てきたり、かなり身勝手な性格という点が若干アジア人に対する制作陣の差別表現だと言える。
僕はこのハッピー級の顔面レベルの女優が日本のドラマでももっと使われてほしいと思う。なぜならリアリティがあるから!
美人で頭脳明晰というのは作り物感満載でリアリティが薄い。現実でもたまにはそういう人もいるかもしれないが、滅多にお目にかかれないだろう。
Scorpion/スコーピオン (吹替版)
おすすめ!
アイルランドに住んでいたウォルター・オブライエンは、11歳の時、NASAのコンピュータにハッキングしたことで、国土安全保障省の特別捜査官ケイブ・ガロにアメリカに連れて来られ政府への技術協力をすることになった。
僕が求めるもの
僕は現実社会でもブスがもっと自然に受け入れられるようになるべきだと考えている。就職での差別もなくなってほしい。
そのためには影響力の大きいテレビや映画が率先してブス差別撤廃に取り組むべきである。
まずはドラマや映画の主要人物へのブス登用が当たり前になってほしい。ネタキャラとしてではなく他の美人女優と同じように立ち回るキャラとして。
ふられ役ではなく普通に恋愛に絡むような役にもブスを使う。ブスであることをいじられることもなくストーリーに自然になじむ役として使う。なんなら主役でもかまわない。
これは人種差別なので視聴率云々言ってる場合ではない
「ブスじゃ視聴率取れないだろ」というのは人種差別的な考え方である。差別のない社会を実現するためにはそれでも積極的にブスを使っていく必要がある。
ブス差別は人種差別であり本質的には有色人種差別となんら変わりがないと僕は思う。視聴率や興行収入に悪影響を及ぼすからと言って無視して良い問題ではない。
これだけ美人優遇ブス排除の風潮が出来上がってしまったのにはテレビ局に大きな責任があるし、テレビ業界は採算を度外視してでもブス差別撤廃に率先して取り組む義務がある。
たとえ視聴率や興行収入に一時的に悪影響を及ぼすとしても、時間をかけて是正していかなければならない。テレビ局はまず美女一辺倒の女子アナからブスを採用すべきである。
結論:最後に言いたいこと
とにかくテレビ局や映画会社は自社作品に積極的にブスを登用して、主要キャラの一人や二人はブスなのが当たり前というレベルまで持っていってほしい。
アメリカの映画も昔は白人だらけだったが、今や主要登場人物に有色人種がいない方がむしろ不自然。
中世ヨーロッパが舞台の作品にもアジア人やアフリカ系などの有色人種が登場するが、むしろその方が自然に感じるようになった。
上にも書いたがドラマヘビー視聴者の立場から僕がテレビ業界の人に言いたいのは美人ばかりだとリアリティがなくて逆にしらけるということ。
僕は作品にはある程度リアリティを持たせてほしいと思っているが、そうするとむしろブスが見たくなる。
僕のようなドラマ・映画ヘビー視聴者で同じこと考えてる人は絶対にたくさんいるから。
世界中のブスにとって、差別と戦うための団体を作って一大ムーブメントを起こすべき時代に入った。
アメリカのアフリカ系市民が差別と戦ってきたようにブスも差別撤廃に向け徹底的に戦うべき。まずは敏腕ブス弁護士を味方につけるところから始めよう。
今の世の中だとブスをバカにしたような発言は軽い冗談のように扱われがちだが、そのようなことが一切許されない社会実現を目指せ。
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