人魚女子高生コメディ『深海魚のアンコさん』感想:魚好きにはたまらない世界:マンガレビュー

この記事は相当なネタバレを含みます。

人魚女子高生コメディ『深海魚のアンコさん』を読んだ。

僕は元ダイビングインストラクターなので海マンガは大体好き。本作もかわいい絵に惹かれて全巻まとめ買いした。連載はすでに終了しており単行本は全4巻。

🧜‍♀️「深海魚のアンコさん」とはどんなマンガか

魚を紹介し続ける魚図鑑のようなマンガである🐟🐟💨

深海魚のアンコさん(1) (メテオCOMICS)

🧜‍♀️👧主要人物は二名の女子高生
深海魚人魚「堤鮟子(つつみあんこ)」

深海魚チョウチンアンコウの人魚女子高生。シャイな性格。自分の尾びれがかわいくないことがコンプレックスで人に尾びれを見られることを嫌がる。頭にチョウチンアンコウの発光機関が生えている。

人魚大好き人間女子「若狭乙見(わかさおとみ)」

人魚が大好きな人間の女子高生。アンコの尾びれを見たくてしょうがない。話に絡む登場人物としては唯一の人間。

🧜‍♀️🐟深海魚のアンコさんあらすじと作品概要

人魚と人間が共存する町で暮らす人魚女子高生アンコの日常を描いたコメディ。アンコと他の人魚との交流が描かれる。登場人物はモブ以外全員女子。恋愛要素皆無なのでラブコメではない。

人魚と人間が共存していると言ってもそれぞれ海と地上に別々に存在するわけではなく、人魚と人間どちらも同じように地上の町で暮らしている。主人公の人魚女子高生アンコも人間同様普通の高校に通う。

1巻冒頭の乙見のセリフによると主人公たちが通う高校は生徒の一割ほどが人魚とのことだが、ストーリーに絡む登場人物は準主役の若狭乙見以外全員人魚。

薬を飲んで尾びれを足に変えている

人魚たちは各自の魚種に合わせた尾びれを持つが、普段は人魚薬という尾びれを足に変えられる薬を服用しながら地上で生活している。

人魚の常識を覆す深海魚人魚

人魚と言うとディズニー映画に出てくるようなかわいい人魚を想像するが、このマンガに出てくる人魚は普通の魚。アンコ含め深海魚も多い。

そのため足が魚の尻尾に戻ると人魚の魚種によっては見た目が結構グロテスク。そしてそのことを恥じらう人魚女子もほほえましい。人魚の常識を覆すマンガと言えるかもしれない。尾びれの描写はとてもリアルでさかなクンを超えるハイレベルな表現力。

🧜‍♀️「深海魚のアンコさん」を読んだ感想

次から次へと魚を紹介し続けるある意味学術的なマンガである。

魚の紹介がメインなので他の日常ほのぼの系とも若干趣向が異なる内容。

🐟とにかく魚の紹介するマンガ

最終4巻までひたすら魚の紹介が続く

1巻を読んだ時に1巻はまずキャラ紹介中心にページを割いたのかなと思ったが、本作は最終4巻までキャラ紹介メインのスタイルで展開される。

いろんな魚について知ることができる

このマンガの話の展開は毎回新しい人魚キャラが出てきてその魚の性質にちなんだイベントが描かれるというパターン。

例えばうなぎの人魚ならぬるぬるする性質にちなんだコメディが展開されるし、上のツイートのハナミノカサゴの人魚なら派手な外見が原因でトラブルが起きるなど。ハナミノカサゴというは見た目が派手なことで有名な魚。魚についての説明書きも随時入るので知らない魚の話でも楽しめる。

しかしマンガに使えそうな「ある程度の知名度と見た目の良さを兼ね備えた魚」の種類には限りがありそうだし終始このパターンだと長く続けるのは難しそうだなと思った。結果的に最後まで魚紹介中心のストーリー展開が崩れることはなく単行本は惜しくも4巻で完結。

ストーリー性・イベント性がもう少し欲しかった

もっとストーリー要素が強ければ最高におもしろかったと思う👍✨

人魚と人間が町で共存するというSF設定を除けばジャンル的には日常系。日常系なのでストーリー要素は少なめでも構わないとは思うが、上述の通り本作は魚の紹介が話の柱なので他の日常系に比べてもストーリー性は少ないと感じた。

表紙を見るとギャグマンガのようにも見えるがギャグ要素はそれほど強くなく、コメディではあるが重視しているのはとにかく魚の紹介。

作品の背景設定が知りたくなる

深海魚のアンコさんでは「まだ地上の生活に慣れない」「私が生まれた海を見せたい」等の人魚による発言があることから、人魚たちは元々海で生まれ育ったがある時期になると個別に地上で暮らし始めるということが推察できる。

地上で暮らす理由については触れられていないのだが、地上で暮らし始めなければならない理由があるのか、もしそうならそれはどのような理由なのか、僕はそういう背景設定が気になってしまう。

大きなテーマを設けてはどうか

これはあくまでも僕個人の意見だが、例えば人魚は一定期間地上生活を経験した後は海に帰らなければならないとか、それを回避するための方法をみんなで探すとか、実は世界を征服するために送り込まれたとか、そういう作品全体に関わる大きなテーマがあったらもっとおもしろかったのではなかろうか。

もしくは人魚も最初から地上で生まれ育つがあくまでも人間とは異なる人魚族ということにして、地上で暮らすようになった理由もしくは秘密を主人公のアンコが探るというのはどうだろう。秘密を探っていくとやがて長老のようなキャラが出てきて秘密が明かされる等。

🦑👧どうしてもイカ娘と比べてしまう

僕は海マンガは大体好きだが中でも侵略!イカ娘が特に好き。

アンコさんを読む前は同じ海生物擬人化マンガのイカ娘のようなギャグテイストを期待していた。実際に読みながらもどうしてもイカ娘と比べてしまうのだが、イカ娘に比べるとストーリー性というかイベント性が若干物足りないという印象を受けた。

イカ娘に比べるとキャラとイベントがやや弱い感じ

イカ娘の場合、地上に現れたのには海を汚す人間をこらしめるために地球を侵略するという目的があった。地上に関して無知なイカ娘がその後自分の立場を理解しつつ人々との交流を深めながら成長する姿を見守るのが楽しかった。

侵略!イカ娘にはイカ娘という存在感のある不動の主役がいて毎回いつもの仲間たちとおバカなイベントを巻き起こして泣き笑いするというシンプルでわかりやすいパターンが確立されていた。イカ娘は毎回のイベントがイカや海にちなんだ内容とは限らないので幅広いストーリー展開ができていたのだと思う。

アンコさんは毎回新しい人魚キャラが出てきてストーリーもその魚の性質に関わる内容なので話の幅を広げにくかったと思う。毎回異なる人魚が話の中心となり主人公のアンコさんは脇役のように振る舞うので各キャラのインパクトが弱くなってしまった。

各話のイベントを魚縛りにせずもっと幅広いギャグ展開にしたらどうなっていただろうか?

🧜‍♀️次回作もぜひ読みたい

僕は魚が好きなので4巻まで楽しく読むことができたが、魚紹介以外のストーリーにも力を入れたパターンもぜひ読んでみたかった。

画力はハイレベルで登場する人魚は皆かわいいし魚の描写も非常にリアル。深海魚人魚コメディという着眼点も非常にユニーク。作者犬犬氏の次回作があればぜひ読みたい。

今回レビューした深海魚のアンコさん
まとめ買い:深海魚のアンコさん (全4巻)(メテオCOMICS)

まとめ買い:深海魚のアンコさん (全4巻)(メテオCOMICS)

犬犬 (著)
人魚と人間共存コメディ!:1冊ずつでも購入できます

第1巻の内容紹介: 人魚の受け入れが盛んな町で暮らす、人魚好きの高校生・若狭乙見(ワカサ オトミ)。そんな乙見がご執心なのは、チョウチンアンコウの人魚アンコさん。誘引突起を光らせ、猫やツンデレ熱帯魚の人魚・ベタ子ちゃんを撃退するアンコさんが気になって仕方がない乙見は、ひょんなことからアンコさんの秘密を知ってしまう。果たしてその秘密とは!? 個性豊かな人魚達が贈る新鮮ぴちぴち異文化交流コメディ!

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